睡眠は、古くからとても大切な人の生活要素と考えられてきました。しかし、そんな睡眠に関する科学的な研究が本格的に始まったのは、わりと最近の話なんですよね。

睡眠に関する常識は、年々変化・更新されているもの。

”睡眠”という要素は、人の意識活動が低下している状況で生じる出来事。ゆえに、自分自身で睡眠中の状況を把握することが出来ないのが特徴となっています。人は、睡眠中に、かならず何かしら複数の”夢”を見ていると言われていますが、多くの人がその内容をほとんど覚えていないものですからね。

そんな自覚することが難しい”睡眠”は、研究する上でも、多くの困難&課題が存在してます。古くは、表面的な観察から得られる情報にて、睡眠の研究をしていたわけですからね。どうしても、なかなか本質に迫ることが出来なかったのかもしれません。

それが、近年の技術進歩により、「脳波の分析」「遺伝子レベルの研究」などを通じて、睡眠時の人の状態把握などの精度が格段に高まることとなりました。それゆえに、いままで、”睡眠の常識”として位置づけられていた要素が、覆されることも度々生じています。

もちろん、対立するような研究結果が共存しているような状況もありますしね。睡眠の実態は、まだまだこれから、明らかとされていく要素が沢山あるように思っています。

最新研究で提唱され始めた”睡眠負債”という考え方

そんな睡眠に関する研究にて、最近、注目を浴びるようになっているのが、「睡眠負債」という考え方です。先日、NHKスペシャルにて特集された、「睡眠負債が危ない~“ちょっと寝不足”が命を縮める~」という番組で取り上げられたことで、話題となりつつあるようです。

”睡眠負債”と語句は、もともと海外で発表された論文などの表記を番組にて、解釈表現したものなのかもしれません。「日々の睡眠時間の不足が、実は積み重なる形で身体への影響を及ぼすようになる」というのが、研究にて提唱されている要素。”負債が積み重なることが良くない影響を与える”というイメージに沿った表現となったようです。

睡眠負債の影響は、「免疫機能低下」「認知症の促進」などが提唱されています。

現時点での研究結果は、あくまでも研究途上のもの。冒頭でお話したように、睡眠研究は現在、過渡期といいますか、研究真っ盛りの状況です。ですから、最新研究内容といっても、それが必ずしも真理を示しているとは言えないもの。研究途上のひとつの情報として、認識しておくことが大切なポイントと考えています。

そんな前提にて、”睡眠負債”による具体的な影響(危惧要素)として、取り上げられているのが、「免疫機能低下」と「認知症の促進」という要素です。免疫機能低下は、”ガンの促進”という形で研究結果としては、提唱されています。

具体的な仕組みについては、ここでは触れませんが、睡眠負債は、「ガン」「認知症」のリスク要因となるものという研究結果となっています。

睡眠負債の研究にて、提起された”睡眠時間”要素。

実は、睡眠研究の中で、いろいろ所説が入り混じっているのが「睡眠時間」に関する要素なんですよね。地域環境や年齢によっても、睡眠時間要素は大きく変化するものと言われているからです。

そんな睡眠時間な関して、睡眠負債の研究内容として提起されているのが、「”7時間~8時間”が睡眠負債を生じない睡眠時間の目安」ということ。そして、「睡眠時間が5時間以下の場合は、身体リスクが高まる」という2つの要素です。

日中に”眠気”などを感じない状況であったとしても、「毎日睡眠時間が6時間平均」の場合には、”身体機能””脳機能”共に、活動力が徐々に低下していくという研究テータが示されています。具体的には、バスケットボール選手の運動機能にて検証されています。「毎日7時間睡眠」へと切り替えたときに、劇的にシュート成功率(スリーポイント)が高まったという実証データが。

寝すぎも課題が多いようですが、”7時間睡眠”は十分ひとつの目安となるかと。疾病リスクを別としても、身体機能&脳機能UPに繋がるのは、間違いなさそうです。