睡眠の研究が進むにつれて、寝具に様々な工夫が施されるようになりました。”枕”に関しても、同様で各種機能が付随した「機能性枕」が人気となっています。

枕の機能性とは?!デザイン機能と素材特性

枕”枕”に関して、あまりごだわりを持っていない人も少なくないのかもしれませんが、安眠を得るため&睡眠時の身体的な痛み(背中痛・腰痛・肩こりなど)を生じさせないためにも、枕はとても重要な要素となっています。

特に、睡眠時に上半身に関する痛み(背中痛・腕の痺れ・肩こりなど)を感じることが多い方は、一度、使用している枕を見直してみることをおすすめいたします。

基本として、枕形状(高さと幅)がその人の体格に適していないと睡眠姿勢を取ったときに、上半身に負担が加わることに。身体への負担かあれば、当然、安眠を得ることもできませんからね。「自分に適した枕を使用すること」はとても大切な要素なのです。

そんな枕に関して、もっと積極的に”安眠を得られるようにする””睡眠時の身体の痛みを軽減する”ための機能を持たせたのが「機能性枕」です。

枕の機能性には、「デザイン的な工夫による機能」と「枕素材の特性に基づく機能」の2種類があります。

デザイン的な機能性

機能性枕昔は、枕の形には、ほとんどバリエーションは無く、「俵型」か「丸みを持った四角形」が主流となっていました。

しかし、近年では、主に「寝返りを促進させること」「寝返り時の寝姿勢への配慮」「頸椎(首)の負担を軽減すること」を目的とした”枕デザインの工夫”が施されるようになりました。

日本で近年人気を高めている枕の大半が、そんなデザイン的な機能性(工夫)を有しています。

一時「抱き枕」という商品も流行りましたが、抱き枕もデザイン的な機能性を有する枕のひとつです。睡眠中ほとんどの時間が横向き寝姿勢となっている人にとって最適な機能性(形)を有する枕となっています。

”抱き枕”は、その機能性を活かすために、体形(身長・体格)にあった商品を選ぶことがポイントとなります。どんな抱き枕が良いのかなどの情報はこちらの抱き枕専門店HPをご参照いただければと思います。

基本寝姿勢が横向き寝姿勢であったとしても、仰向け寝姿勢となる時間帯がまったく無い・・という人はほとんどいませんからね。近年では、そういうリアルな睡眠状況を考慮した、上図イラストのような”U字型枕”が抱き枕の発展形商品として、支持を得るようになっています。

素材特性上の機能性。「高反発力」「低反発力」

機能性枕デザイン的な工夫と共に、近年重要視されるようになってきたのが「枕の素材特性上の機能」です。

具体的には、「高反発力機能」「低反発力機能」が対象の素材特性となっています。

”高反発機能を有する枕”は、基本的に「寝返りを促進させる作用」を有しているのが特徴。”頭部”は人体パーツの中で、最も重いパーツとなりますからね。頭をスムーズに左右へ回転移動できることが、寝返りをスムーズに行うことに繋がるのです。

ゆえに、高反発枕は、高反発マットレスと組み合わせて使用するのがベスト。寝返りをスムーズに行えるようになることで、睡眠時の身体のこわばりを解消。身体の痛みの緩和に繋がるとともに、安眠を得られるようになるのです。

対して、”低反発機能を有する枕”は、「頭部の重さを上手く分散してくれる作用」を有しています。作用反作用の法則がありますので、頭の重さを分散することなく受け止めてしまう枕(通常の枕)の場合、枕との接地面となる後頭部に圧力(反作用)刺激が加わることとなります。

この刺激が局所的な圧迫痛に繋がったり、睡眠を浅くしてしまう(刺激による覚醒)ケースがあるんですね。そんな状況に対して、有効な機能となるのが”低反発力”なのです。

自分の寝姿勢に合わせた”デザイン機能”+”高反発機能”の枕選び。

睡眠時に身体的な負担(体の痛みなど)を感じることの多い方は、スムーズな寝返りが出来ていない可能性が高いものです。

ひとつ注意していただきたいのが、そんな方にとっては、「低反発機能枕」は逆効果となる可能性があるということ。低反発力を有する枕の場合、”寝返りがしにくくなる”という特性があるからです。

基本的に、寝返りは上手く行えている方にとって、”低反発機能枕”が有効となるもの。そういう意味で、睡眠に不満を感じている多くの方にとっては、”高反発機能枕”の方が、素材機能的には適する可能性が高い・・・そんな傾向があることを認識しておいていただければと思います。

”デザイン的機能性”に関しては、自分の寝姿勢傾向が重要な判断要素となるもの。主な寝姿勢が「仰向け寝姿勢」なのが「横向き寝姿勢」なのかによって、適する枕デザインが異なります。