寝具は、毎日使用するもの。人は睡眠中に多くの汗を発散(一晩でコップ一杯分の汗)。その水分が寝具(敷布団など)に吸収されてしまいます。

長年使用していると、様々な汚れの付着と共に敷布団の内部・裏面などに雑菌やカビが繁殖。異臭を感じるようになることも・・。

そんな敷布団を見ると、「洗濯したい~」と思うのも当然のことですよね。でも、ちょっと待ってください。そもそも敷布団は洗濯できるものなのでしょうか?。選択しても問題は無いのか?そんなお話をしてみたいと思います。

使用している敷布団の種類・性能をまずは確認。

布団素材そもそも、”敷布団を洗濯したい”と思っても、敷布団自体が、通常の洗濯に対応していないものも多々存在しています。

ですから、まずは敷布団の「洗濯表示タグ」を確認しましょう。

「洗濯機マーク」や「手洗い表示」があれば、条件値付きで洗濯が可能なことを示すもの。逆に、「水洗い表示に×」が付いていたり、「ドライマーク表示」がある場合は、そもそも自宅での洗濯は出来ない敷布団となります。

自宅での洗濯を前提として作られた敷布団とそうではないものが存在。

敷布団の「洗濯表示タグ」を確認して、”洗濯OK”となっていたとしても、まだ、安易に自宅での洗濯を試みてはいけません。

”洗濯表示タグ”で示されているのは、あくまでも「使用されている素材が通常の洗濯に対応しているものかどうか」ということ。

洗濯が可能な素材を使用している敷布団の中にも、「自宅での洗濯を意識して作られている商品」もあれば「自宅での洗濯を前提としていない商品」もあるのです。しかも、大半が後者。自宅で洗濯することは、あまりイメージされていない敷布団の方が多いのが実情です。

近年も開発されている「自宅での洗濯」に対応している機能性敷布団

網目繊維構造素材一般的な敷布団が自宅での洗濯を前提として作られてない理由をお話するより先に、自宅での洗濯を意識して作られている機能性敷布団に関してお話してみたいと思います。

そのほうが、”違い(機能性)”を認識しやすいですからね。

自宅の洗濯機で手軽に洗濯ができるといった機能性を有する敷布団の代表とも言えるのが、こちらの敷布団ブレスエアー(東洋紡)です。

最大の工夫ポイントとなっているのが、使用されている素材の違い。一般的な敷布団とは異なり、特殊な網目繊維構造素材(写真)が使用されています。

しかも、ファスナーを開閉することによって、敷布団中の素材(網目繊維構造素材)を簡単に出し入れすることが可能な構造となっているんですね。

網目繊維構造素材は、水分を吸収しない素材。しかも、網目構造となっていますので、手軽に水洗いすることが出来るとともに、速乾性を有しているのです。ここがとても大切なポイントなんですね。速乾性があるから、洗濯しても、早々に使用することが出来るわけです。

一般的な敷布団が自宅での洗濯に適さない3つの理由!

一般的な敷布団には、中綿として、”ポリエステル””木綿””ウール”などが主として活用されています。昔は”木綿”が多く使用されていましたが、近年では、”ポリエステル””ウール”が使用された敷布団が多くなっています。

1.一般的な敷布団は、とても乾きにくい。

「洗濯すること」を意識して作られた敷布団とそうではない敷布団の最大の違いが”素材の違い”となります。先に記したように、洗濯できることを機能性として有する敷布団の場合は、速乾性を有しているのに対して、一般的な敷布団に使用されている”ポリエステル””木綿””ウール”仕様の場合は、非常に乾きにくいんですね。

近年、人気となってきている、こちら(全国送料無料!布団の全国宅配クリーニング「ふとんLenet」 )のような布団クリーニングサービスにおいては、専門的な洗濯システムを使用しています。

しかし、洗濯後の乾燥過程では、一次乾燥として、温風と送風を使用した自然乾燥を丸一日行った上で、さらに二次乾燥として、大規模な専用乾燥機を使用した機械乾燥を行っているのです。

布団専門のクリーニングサービスにおいても、最低乾燥に二日間を要しているわけです。(機械乾燥のみとはしない理由は後ほどの理由と関連しています。)

これを自宅で行うとしたら・・。日差し溢れる日を選んで、天日干しにも、2.3日の期間が必要となるかと、その上で、乾燥機による乾燥をすることが必要となりますからね。すっごく手間がかかります。

この手間をかけてでも、完璧な乾燥を行わなければけいないのにはちゃんと理由があるんですよね。乾燥が少しでも不十分だと、そのことによって「雑菌・カビの繁殖が増長してしまう」から。

自宅で敷布団の洗濯をしてみたことのある方なら、経験してことがあるのではないでしょうか・・・洗濯したばかり敷布団なのに「変な臭いがするようになった」ということを。

これが、乾燥不十分に伴う、雑菌・カビの繁殖によるものなのです。

2.敷布団の芯材・中綿機能が失われる

自宅で敷布団を洗濯しない方が良いと考える最大の理由が、「敷布団の芯材・中綿機能が失われる」ということです。中綿素材の機能性が失われるということは、敷布団としての機能消失を意味するものですよね。

簡単に言うと

*敷布団の芯材に使用されている固綿は、水洗いするとヘタってしいやすい。
*中綿(特にウール)が水に触れると弾力性が失われやすい

などといった機能消失が生じるのです。(生じやすい)

先に、専門業者では、「機械乾燥だけに頼らない」ということを記しましたが、乾燥機だけて敷布団の乾燥を行うと、上記のような素材の機能消失が生じる可能性が高くなってしまうのです。

水分を多く含んだ状態の敷布団を乾燥機にかけてしまうと、”素材の偏り・変形””素材の圧縮”が生じるからなんですね。中綿のウール素材などは、繊維が絡まり、”フェルト化”してしまうことも。(弾力性がなくなり、硬くなってしまいます。)

3.敷布団の素材が痛む&変形・偏りの発生

敷布団を”手洗い”するにしても”洗濯機洗い”するにしても、細やかな準備と配慮をしないと、敷布団の素材がすぐに痛み、変形&偏りが生じてしまうこととなります。

こちらに大手寝具メーカー東京西川の布団に関するQ&Aが記されていますが、基本的に、自宅で洗濯機を使用した敷布団の洗濯を推奨するような回答などはありません。

基本的に、「敷布団の丸洗い」は、敷布団の損傷・変形をもたらすものと理解しておいた方が良さそうです。

そもそも敷布団にも使用期限があるものです。

食品に賞味期限があるように、敷布団にも、敷布団としての機能が維持できる使用期限といった要素があるものです。(もちろん実際に、使用期限といった表記があるわけではありませんよ。)

一般的な敷布団の場合は、「約5年」がひとつの目安と考えられています。

素材の異なる機能性敷布団(マットレス)の場合は、「5年~10年」が使用期限と考えられています。

近年、睡眠負債(最新睡眠学!”睡眠負債”という考え方と身体へ及ぼす影響とは?!)という考え方も浸透。睡眠の重要性がさらに認識されるようになってきています。

そんな睡眠負債を抱えないようにするために、”敷布団”はとても重要な役割を担うもの。敷布団の状態を見極めつつ、適切な買い替えを心がけていくことも大切なものと感じています。

敷布団・マットレスの買い替えを検討する上では、こちら記事

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もご参考にしていただければと思います。

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