2011年に初めて発見(特定)された新しいウイルス(SFTSウイルス)による感染症が近年、注視されるようになってきました。それがマダニから感染する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」です。

ダニは、ハウスダスト同様にアレルギーを引き起こすアレルゲンとして、注視されてきましたが、感染症(SFTS)の注意対象ともなってきたようです。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は”マダニ”による感染症です。

感染症は、人の目には見えない、小さな小さなウイルスや細菌などによって、引き起こされるもの。原因要素を視認かることが出来ないゆえに、”恐怖心”が高まりやすいものです。

そんな感染症の対策の第一歩となるのが『正しい知識を得ること』。これがとても重要な要素なんですよね。中途半端な知識を得てしまうことが、一番混乱を招く要素となってしまうからです。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の概要に関しては、こちらの東京都感染情報センターHP情報をご参照いだたければと思います。

「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、ダニによって媒介される感染症なのですが、ダニ全般が対象となっているわけではなくて、ある特定種類のダニのみが感染症の対象となっているのです。それが・・。

*マダニ

と呼ばれているダニなんですね。マダニにも、「ヤマトマダニ」「フタトゲチマダニ」などの種類があります。

一般的に、ダニというと、家中に沢山生息しているダニをイメージしますよね。ただ掛け布団・敷布団やマットレスなどの寝具に多数生息しているダニは、「イエダニ(チリダニ、コナダニ、ツメダニなど)」と呼ばれる種類のもの。(家の中に住んでいる代表的なダニ)

マダニは、屋外の草むらなどに生息しており、基本的に家中には存在していないダニなのです。

*重症熱性血小板減少症候群(SFTS)をもたらすのは、屋外に生息している”マダニ”が対象。家中に生息している”ダニ(イエダニなど)”は、感染症(SFTS)の対象外。

であることをまずは、しっかりと認識しておきましょう。これだけでも、余計なパニックを起こさないで済みますからね。寝ているときに、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染してまう・・・なんてことは、無いわけです。

ペット(犬・猫)と暮らしている人の注意点。マダニの持ち込み&SFTSの媒介。

ダニ感染家の中なら、基本的に安全(SFTSに感染しない)なわけですが・・。近年のライフスタイルを考えたときに、注意が必要なケースがあるのです。それが・・。

*ペット(犬・猫)と一緒に暮らしている人

です。

犬は、大抵、屋外での散歩をしますよね。ネコの場合は、常に、”家中で飼育”している場合は、問題ありませんが、屋外への出入りが自由にできる状態で飼育しているケースも少なくありませんよね。

そういう状況では、犬や猫たちが”マダニ”を体に付けた状態で家に帰宅してしまうことがあるのです。その結果、本来、屋外にしか生息していないはずの、マダニが家中に存在することも考えられるわけです。

緑多い公園や草むら(河川敷・土手)のある場所を散歩した時には、帰宅時、家に入る前に、しっかりと犬のブラッシングなどをしてあげることも大切なこととなりそうです。

ペットがSFTSウイルスに感染。ペットからウイルス媒介されるケースも。

今年になって、注目される出来事がありました。それが「猫に噛まれたことによって、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症」した方が発見されたことです。

それまでペットがマダニを身に付けていて、そのマダニから感染するケースは見つかっていたのですが、マダニからSFTSウイルスの感染を受けていた猫を媒介する形で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が発症したことが確認されたのは初めてのことだったようです。

理論的には、ありえることと認識されていたようですが、実際の症例が出たことによって、今後益々注意が必要となることが判明したといいますか・・・そのような認識が必要となったんですね。

ペット(犬・猫)を飼っていない方であっても注意が必要なわけです。屋外に生息している野良猫たちと安易に触れ合うことが、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)への感染に繋がる可能性があるわけですから。

ペットと暮らしている方は、寝具のダニ対策を小まめに行っておきたいものです。

布団干し冒頭でお話したように、「マダニは、草むらなどに生息しているダニ」です。

家中に持ち込まれたとしても、寝具(掛け布団、敷布団など)に生息し続けるようなことはありません。

ただ、ペットと暮らしている場合は、ペットたち(犬・猫)が敷布団やマットレスにて寛いでいる(寝ている)ことは多々あるものですよね。

そんなときに、ペットに付着していたマダニが・・・ということも考えられなくはありません。(ただ、マダニはわりと大きいので、その存在は視認できるんですけどね。)

まあ、いずれにしても、ダニ対策という視点でも、寝具を含めた、家中の掃除を小まめに行っておきたいものです。

ちなみに、マダニが対象ではありませんが、一般的なイエダニ対策として、「敷布団の天日干し」をするかと思いますが、研究によると天日干しにて、ダニはさほど減少することは無いそうです。天日干しは、あくまでも敷布団の「湿気解消」が目的となります。

ダニ対策やは、寝具のダニ除去対策して、最も効果的なのは、掃除機を使用して、ダニを吸い取ることです。

吸引力が高くないと敷布団・マットレス内部のダニが除去できないことから、吸引力の高さで有名なこちらのダイソン・ハンディー布団クリーナー「dyson V7」などがダニ除去に効果的な掃除機として高い人気を得ているようです。

また、ダニ除去に特化した商品としては、こちらのダニ除去シート「ダニピタ君」のようなダニ除去アイテムが最も効果的にダニを除去できるものとして、広まりを見せています。

敷布団・マットレス自体も、ダニが生息しにくい素材仕様のものを活用するなど、いろいろ工夫を心がけておきたいものですね。